#706 LG5D-SB

Jimmy Copploという製作家の造詣の深さと慧眼は、それぞれのモデルの差異を、単に使用する材料の違いであったり、ピックアップレイアウトの違いにとどめずに、そこに何が備わっているべきか、という点まで 鋭くえぐり出し、なおかつ、熟慮の上に導きだされた、テーゼとアンチテーゼの絶妙なバランスの内包によって伺い知ることができますが、このLG5 Standardもその好例であると言えましょう。

楽器を作り始めた当初は、重量が無いと良い楽器にならないと考えていたようですが、ある人物との出会いによって、それは180度転換させられることとなったとJimmyは語っています。

その証拠に、AlderやAshは、材の重量が楽器の音色に影響を与え易いものですが、その重さに反比例するかのような、引き締まった重心の低いトーンキャラクターをこのLG5Dは持っています。

チューニングするだけで、その良さが分かってしまうこともありますが、このLG5は、他のAlleva-Coppoloがそうであるように、アンプを通さずとも、感性への訴求力が溢れんばかりに伝わってき、例えば、Low-B弦のピッチは複雑な倍音構成によってぶれでしまいがちですが、そういうことも一切の無く、瞬時に決まってくれます。

指弾きはもちろん、スラップや、ピック弾きなど、様々な奏法でこの楽器を使おうとも、状況を問わずに、確実に弾き手の求める答えを、常にもたらしてくれる、音楽の為の楽器です。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Rosewood
BODY Alder
COLOR Sun Burst (Poly)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade

#687 RA5-PZ

Burgundyを少し淡くした、上品な色彩に目を奪われるRA5です。

Alder BodyにRosewood Fingerboard、70年代Pickup Layoutを用いた新しいモデルですが、最初からすでに試行錯誤の痕跡はなく、仕事をする人の為に最大限力を発揮できる完成された楽器になっています。

左手にテンションを感じますが、ネックの薄さと良質の材の特徴が密接に融合しており、心地良い響きを多分に感じます。

他のAlleva-Coppoloの楽器にも共通していることですが、フォーカスされた音程感と、中低域の膨らみ方には特筆すべきものがあり、アンサンブルの形態やアンプの違い、場所により生じる影響を惑わされず、常に100%の真価を発揮する頼りがいのある心強さは、頭で考えた理論ではなく、厳しい実践の場である反面、最高の舞台であるNYで鍛え上げられたJimmyの技術そのものを投影したものと言えるでしょう。

楽器とシールド1本、そしてチューナーだけスタジオに持っていけば、他には何もいりません。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Rosewood
BODY Alder
COLOR Plum Crazy (Poly)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade

#690 RA5-VG

当時の本物の楽器を知る人間であれば誰もがにんまりとしてしまうRA5です。

AlderとMapleの組み合わせによって、絶妙のバランスと質感を楽器にもたらすだけでなく、一般的なメーカーであれば主にその材の違いのみをもって、違ったモデルにしているのですが、Jimmy Coppoloは様々な角度からの研究によって、その組み込み方の差異までをも盛り込んでいます。

ハンドメイドによる製作は、ともすれば歩留まりの悪さを招いてしまいかねませんが、Jimmyの場合は全く正反対であり、それぞれ1本1本に異なる個性を付与するというハンドメイドならではの醍醐味を堪能できる楽器を世に送り出しています。

ネックの制作には、昔ながらのもの、ローアクションを可能にするもの、量産向きのものなど様々な手法が生み出されており、Carey Nordstrandはその中でも新しい方法論の実践者として知られていますが、Jimmyもまた、別の方法論を独自に編み出し自身の楽器に盛り込み、成功に導いた数少ない優れた製作家であると言えましょう。

このRA5のサウンドは、アンサンブルで確実にカットするAlleva-Coppoloの特徴を最大限まで推し進めたような特徴があり、最初はそれこそ大勢の前で裸になるような気恥ずかしさを感じるかもしれませんが、2、3曲も演奏すれば、その活き活きとした、ディティールの奥底までを完全に聴かせる音の存在は確実に快感と感動に変わっていくでしょう。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Maple
BODY Alder
COLOR Harvest Gold (Lacquer)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade

#662 LG5-SB

世界で名の知られたビルダーの楽器に共通するポイントはいくつもありますが、その一つとして、 一番スタンダードなモデルで、多くのベースプレイヤーを納得させることができる、というものがあります。

これは、例えばKen Smithで言えばM Modelや、F Bassで言えばBN5ですが、それらの楽器は何かを足すこと無く、一流のプレイヤーの厳しい要求を十分に満たし、完璧に応えてくれ、このAlleva-CoppoloのLG5-SBにもまさにそれが備わっています。

Rosewood指板にAlder Solid BodyのBolt-onと、シンプルきわまりない楽器ですが、それだけに、Jimmy Coppoloという製作家のすごさを分かりやすく感じることができ、純粋なプレイヤーにとって最高の道具であり、楽器でもあります。

楽器製作に携わる者として学ぶことの多い楽器であり、例えば、Jazz Bass Styleの楽器の持つバランスの悪さを改善するには、いくつかの方法がありますが、そのままのスタイルを維持しつつ表面的には気づきにくい対処方法をもって成功に導いていることは、正直、とても驚かさせられます。

いわゆるハイエンド楽器というものは、言葉として、この日本でも一般的になりつつありますが、世界ではすでに次のステージに入っており、Alleva-Coppoloも違ったアプローチの方法を持っている、今までとは違ったコンセプトを持った楽器です。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Rosewood
BODY Alder
COLOR Sunburst (Poly)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade

#686 RA5-CA

電気的な補助を必要とするエレクトリックベースであっても楽器である以上は、経験則に基づく審美眼によって選ばれるべき材の品質は否応無しに最終的な出音に影響してきます。

このRA5はアンプをつながなくとも、十分にその素晴らしさが伝わってくるもので、それはまさに良い材の賜物と言うほかありませんし、アンプを通すことで、その何倍もの大きさの質量を感じるトーンは感動的で、特に難しいことなどせずに、その音の良さだけで心拍数が上がります。

軽いタッチでも一つ一つの音に、ベースらしい分厚さとテンションがあり、安定したネックに起因する強力なLow-B弦の響きも最高であると断言できます。

Alleva-Coppoloは、Ken Smith同様、弦のブランドに大きく左右されずに常に一定のクオリティを創出する楽器の一つですが、これもまた自社のAlleva-Coppolo弦との相性は当たり前ですが限りなく良好で、特にSlap時に多大な恩恵を弾き手に与えます。

Pickupは自らの手で巻き、Preampも自分の為に開発しているJimmyが次にこだわったのが弦ですが、その理由も、このRA5を弾くと非常に分かりやすいものとなります(楽器のカラーによっては、時折他社製の弦が張ってあることもありますが、それも楽器自体のクオリティに自信があるからこそなせることでしょう)。

どこを弾いても常に自分が歌っているかのようなVoiceがあるこのRA5を介して、オリジナルの素晴らしさや、長年支持されている理由を感じます。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Rosewood
BODY Alder
COLOR Candy Apple Red (Poly)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade

#688 RA5-SB

生鳴りの音量に特徴のあるAlleva-Coppoloの楽器の中でも特に大きく、深い弾き心地を持つ楽器です。

軽量で、弦の振動が物理的に生じている以上に体感できるこのRA5には、AlderとMapleという組み合わせによる、独特の甘く明るいトーンがあり、Ash Bodyほど派手ではなく、かと言ってAlder Bodyの楽器ほど落ち着きすぎていないという無二の個性を持っています。

ともすると、それは中途半端な楽器という印象を与えかねないのですが、長期に渡り十分にシーズニングされた材料を用い、その全てに精通するJimmyの手によって、他の相対的にポピュラーな組み合わせと全く同等かそれ以上の次元に引き上げられています。

当時使用されていたような良質のAlderの入手が年々難しくなっていると聞きますと、この組み合わせが、より普遍的な存在になり得るかは分からないところですが、こういう楽器が増えることで流れは確実に変わっていくでしょう。

個性の出にくいこのスタイルにおいてなお、Alleva-Coppoloのフィニッシュにはセンスの良さが際立ってますが、それはJimmyが色のバランスや、塗料の材質、それぞれの組み合わせを常にトータルに見据えているからでしょうし、そこにはある種の、楽器を楽しんで作っている様子が伺い知れる遊び心の存在があるからかもしれません。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Maple
BODY Alder
COLOR Sunburst (Lacquer)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade

#685 RA4-IS

Alder BodyにMaple指板、Block InlayとBinding、70年代ピックアップレイアウトを基本仕様とするRA4の最初の1本です。

この組み合わせは、フォロワーの製作する楽器の全体量からするとマイノリティになってしまうのにはいくつか理由がある訳ですが、その先人の瑕疵(これはあくまで個人的な見解です)と、その他の主たる要因を一切無かったものとし得る、強大な力のある楽器です。

その組み合わせには他のどれとも違う、もしかすると完成された最高のコンビネーションであると確信させてくれる大きな魅力があり、アンサンブルにおける最適なコントロールにはまた違ったアプローチが必要になるのですが、弾き手がそこに気付くやいなや、楽器は他のどれよりも確実に弾き手の要求に応え、また寄り添ってきます。

Jimmyは、レギュラーのラインナップの中で、RA Seriesの価格設定をLGやLMよりも上においていますが、それは、表面的なスペックだけではない、製作者と弾き手が共有する認識をあらわしているのかもしれません。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Maple
BODY Alder
COLOR Inca Silver (Lacquer)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade

#383 LM5-TR

Ashのサウンドは、相対的な比較によりドンシャリと評されますが、あくまでそれは相対的なものであり、実のところ、もう一方のAlderをも凌ぐ中域の力強さを備え、その特徴が前面に押し出されている楽器がこのLM5-TRです。

指弾き、スラップ、ピック弾きの何れでも気持ちよく、特にEやLow-B弦をはじいた時の心地よさは格別です。

AshとMapleを組み合わせた楽器の中には単体では迫力と派手さが強調され、その時点では良いものの、アンサンブルでは全くその役割を果たさないものもありますが、本当に良質のAshを適切に用いた場合には、ベースという楽器に必要とされるべき中域がしっかりと存在し、腰砕けのキャラクターとは無縁のものとなります。

Alleva-Coppoloという楽器をそろそろ10本近く見る事となっていますが、このスタイルながら、当たりはあってもハズレがないのは、やはり良い材にこだわっているからでしょうか。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Maple
BODY Ash
COLOR Transparent Red (Poly)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade

#455 LG5-PB

一見、同スタイルの楽器とそう変わらず普通の楽器のようですが、触って驚き、音をだして驚愕する雰囲気のある楽器です。
4弦の感覚をそのまま5弦にもちこむことは、特にJazz Bass Styleの楽器には求められる事ですが困難を伴うことは良く知られています。しかし、それを苦もなく成し遂げてしまっているのが、Alleva-Coppoloです。
Ken SmithのLow-B弦のイントネーションの良さに比肩し得る数少ない楽器であり、No EQでも十分に欲しい音が出てくれる膨大なポテンシャルを秘めていることも瞬時に理解でき、4月に入手した私自身のLG5も最初はこういう感じだったことを思い出させてくれる楽器です。
Alleva-Coppoloは、かねてよりこの日本のメーカーでは作れない、もしくは出てこない楽器だと感じていましたが、このLG5を通じてその理由が漠然とではありますが、徐々に見えて来たように感じます。
バランス良く、安心できる楽器作りの難しさは重々承知していますが、楽器作りとは本来こういうものであり、こうすべきなのではないかと真剣に考えさせてくれます。
奇をてらうことなく、真摯に情熱を傾けて最良の楽器を製作しているのが、Jimmy Coppoloです。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD African Rosewood
BODY Alder
COLOR Piano Black (Poly)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade

#502 LG5-DR

進化しつつある現代の楽器製作方法の観点から、また長時間精度を要求される演奏をする上で、ネックは極力まっすぐである方が良いのではないかと思いますが、Vintage楽器をいくつか修理で見させていただいておりますと、ネックをまっすぐにするのが、物理的に難しいものがたくさんあります。それらの楽器を見て、ああ、これはかなり弦高を高めにして、またネックも極度の順反りにして使うものだよ、と話される方もおられますが、それは決して真理ではないと思います。

もちろん弦高は指板の形状から考えても、ある程度高めの方が、本来の良さが出やすいわけですが、左手に対する負担は、まっすぐなネックによって相当軽減されますが、古い楽器の多くはそれをすでに許容しない状態のネックを持っている場合が多いのが事実です。

対して、Volume Potよろしくスムースに回るトラスロッド、1pc.ながら強靭かつ、まっすぐなネックで、楽器の良さを十二分に発揮できるこのAlleva-CoppoloのLG5は、旧さと新しさ、それぞれの良さの最適な融合であり、昔の楽器に慣れ親しんだ方から、新しい製法で作られた精度の高い楽器で技術を磨いてきたプレイヤーまで、多くの要求に対する幅広い許容量をもっている楽器と言えます。

精度の点では、新しい楽器には目を見張るものがありますが、その多く、大概は量産品ですが、には、弦の音しかしないものが多く、それらは道具としては基準を満たしたものではありますが、弾き手にも感動を与える、本物の楽器とは呼べないと思っています。

対して、このLG5は、弾き手をより高い次元に導いてくれる、そういう感覚に溢れています。

Bolt-onの楽器製作には、Neck-thruとは違った難しさがあり、その最たるものは、いかにサスティーンを殺すか、というものですが、Jimmy Coppoloという製作家は、この点でも非常に優れたセンスとノウハウをもっており、全体が良く響き、安心してすべてを任せる事の出来る、弾き手の本能に強く働きかける、心強い相棒といった楽器になっています。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Rosewood
BODY Alder
COLOR Dakota Red (Poly)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade