現場においては、アンプやPAなどの再生環境はもちろん、周囲のプレイヤー達がどのように音を聴き、またそれに反応するかを考えた音作りが一般的には必要になります。
しかし、Dingwallは、そういう本来は不必要であるべき要素に対しても労力を割くこと無く、あるべき一点に向かって邁進させてくれる楽器を製作しており、このLee Sklar Signature Modelも例外ではありません。
Sheldonとのやり取りは、非常にスムースですが、時折時間がかかることがあります。しかし、そういう時は決まって、熟慮に熟慮を重ねて、納得できる回答が届きます。
この姿勢は、Dingwallの工房や、楽器製作の哲学にも行き渡っており、安易にアーティストモデルを送り出してしまうメーカーが多い中、1994年に出会ってから、実に16年もの歳月を費やしてから初めて、Lee SklarのSignature Modelとして発表したのも、Dingwallらしいと言えます。
このLSS5を弾き、また実際にアンサンブルにおいて使ってみればわかりますが、Leeが持つ独特の絶妙な立ち位置を、存在するグルーブに違和感無く盛り込むことがでるだけでなく、驚くほど音楽的勝つ円滑に、アンサンブルにおける主導権を握ることができます。
本来であれば、何年、もしくは何十年もかけてはじめて到達できるポイントに一瞬にしてたどり着けてしまうことに、戸惑いを覚えるかもしれません。
LSS5のベースになっているモデルはZ2であり、Sheldon Dingwallなりの解釈をもった1Pickupの楽器という位置づけになっています。
このLSS5も、Super J同様セレクターによって様々な音色を作り出すことができますが、存在する複数のモードに対する役割を明瞭に示すことの出来ないメーカーが多い中で、ここまできちんとそれぞれを併存させている楽器はそれほど多くはないと思います。
NECK | 3pc. Maple & 5pc. Maple@ Head Stock |
FINGERBOARD | Wenge |
BODY | Alder / Northen Ash (Dual Density) |
COLOR | Candy Blueberry |
PICKUPS | Dingwall Original |
PREAMP | Lee Sklar Siganture |