Jazz Bass Styleを持ちながらも、気兼ねなく使えるLow-B弦や、4弦ベースに存在するような気持ちの良いはじけるE弦を持っている楽器を探す事をあきらめてしまっている方には一度は弾いていただき、ぜひとも驚いていただきたい楽器です。
同スタイルの楽器製作に傾倒している他のメーカーの努力をせせら笑うかのような強力なB弦やE弦は、まるで鋼をたたいているかのようなガツンとしたもので、GやD弦に関してはAlderとRosewoodの組み合わせ特有の色のある甘いトーンを持っているという、’両立’に優れた、ありそうであまり無い楽器です。
楽器の地力がある為か、もちろんベストなセットアップというものがあることが分かりますが、どのようなセットアップを施しても弾き手と聴き手を楽しませる音を生み出せる事は興味深い現象であり、結果、厳しい現場にける不確定要素によるバランスの欠如に対しても大変な強さを持っているように感じます。
Alleva-Coppoloは、かねてよりこの日本のメーカーでは作れない、もしくは出てこない楽器だと感じていましたが、このLG5を通じてその理由が漠然とではありますが、徐々に見えて来たように感じます。
並列化されたクオリティに重点を置く事はもちろん非常に重要な事ですが、良い楽器作りという行為には、明確な主義・主張の上に立脚した、材の見極めと製作技術の融合が化飾るべき要素なのではないかと感じます。
強烈なイデオロギーやアイデンティティは、一見、特定のプレイヤーのみの支持を集め、対して、癖の無い楽器であればあるほど、より多くの層にアピールすることができるようにも見えます。しかし、その力の持つ説得力が魅力的であればあるほど、長い時間弾き手に愛され、また世界的に知られる楽器となっているのが現実です。
Jimmy Coppoloは文字通り”踏み出した”製作家であり、それをコピーという次元からフォーマットとして昇華させた、後継者と評しても良い人物なのかもしれません。
NECK | 1pc. Hardrock Maple |
FINGERBOARD | Rosewood |
BODY | Alder |
COLOR | Sunburst (Poly) |
PICKUPS | Alleva-Coppolo Homemade |
PREAMP | Alleva-Coppolo Homemade |