#170 SJJ4-OW

初入荷のSuper J4です。

Super Jの大まかな特徴に関しては、Catalogページにてご紹介させていただておりますが、仮に丁寧に製作された楽器が最良の楽器であるとすれば、間違いなく世界でも5本の指にはいるような、素晴らしい質感を持った楽器です。

もちろん作りの良さや丁寧さが、楽器の良し悪しの全てを決めてしまう訳ではなく、本質的に大切な部分は他にもたくさんありますが、例えば、フレッティングや、配線関係、塗装などは、特筆すべき点が多々あります。日本の国産の楽器は、それらの点において世界でも最高峰のクオリティを誇っていることは疑いが有りませんが、このSuper Jはそれらを凌駕してしまっている感があります。

例えば、エレクトロニクスを見てみますと、パーツの選択一つを見ても、大変に考え抜かれており、長年の使用において、環境の変化によって劣化するであろう要素を熟慮の上排除していることが分かるのですが、こうした永きに渡って安定して弾ける楽器を製作しようという気概が、ネックの安定感なども含め随所に感じられます。

ジャズベーススタイルのベースを数多く弾いてみると、最近では徐々に改善されて来たとは言え、質の良いハイエンド楽器ほどのバランスの良さを持っていることは未だにそれほど多くはありませんが、その究極的な解決方法を導入されているのがこのSuper Jであると言えます。

Fanned-fret(ファンドフレット)は、見た目からは特異なものを感じられるかもしれませんが、このSuper Jを含めたDingwallにおけるそれは、革新的なアイディアを、独自の卓越したセンスで発展させ、違和感無く弾くことが出来る楽器製作を可能にした、ということだけでなく、弾き手としては、通常ではあり得ないプレイアビリティとトーンを確立しているという、良いことずくめと感じさせてくれるものです。

製作サイドとしては、相対的に大変な精度が要求され、困難も伴う技術ですから、苦労はあると思いますが、プレイヤーサイドとしてみれば、有り難いと感じる要素に満ちており、従来のスタイルの楽器から感じられた不満(例えば、ある”特定の欠点”を解消しようとすると、別の負の要素が発生する等)は殆ど全て解消されています。

アメリカのベース関連のホームページなどで、”もうDingwall無しでは生きて行くことができない”という表現を見た時には大袈裟ではないか、と感じたこともありますが、実際にこのSuper Jを弾いてみると、それもあながち間違いでないことに気づかさせられます。もちろん、逆に、Super Jを弾いてから、他の普通にフレットを打たれた楽器を弾いても、それ自体も違和感は無いのですが、それでもこのSuper Jから感じられるメリットの大きさは認めざるを得ません。

ただし、そこにはやはり、徹底した試行錯誤の上、新しい要素を取り入れたSheldon Dingwallの努力と優れた感覚が大きく存在しており、Fanned-fretを採用しているメーカー自体はいくつかあるものの、Dingwallがその成功例の最たる結果になっている、という事実も付け加えさせていただくべきでしょう。

NECK 3pc. Maple & 5pc. Maple@ Head Stock
FINGERBOARD Morado
BODY Alder
COLOR Olympic White
PICKUPS Dingwall Custom Humcancelling
PREAMP Aguilar OBP-1 with Active Boost / Passive Cut
Hardware Dingwall Original w/ 19mm String Spacing