新しい製作家の楽器特有の慎重さは、このKamakiri 5をいかに丁寧に、細心の注意を払って製作していたかということの証明であり、一方、楽器製作において重要な、本質を大胆にえぐることに成功しているのは、アコースティックギター製作の経験や、長い楽器メーカー勤務の中で得た、一流ミュージシャンのフィードバックなどがその大きな理由でしょう。
デザインとサウンドの両立という困難に立ち向かい成功している若い製作家の一人は、Jerzy Drozdですが、KRのKevon Robertsonも同じように強い意志をもって、オリジナリティを確立しています。
Activeの存在を当たり前とする風潮ゆえ、真に必要な要素の欠落を起こす新進の製作家もいますが、KRは、Passsiveに強いこだわりを見せており、このことも彼の製作する楽器が、現場において有効に機能する原因の一つでしょう。
木工技術は非常に高く、CNCルーターなどを本体部分に用いること無く、コンセプトの全てを実現し得ているのは驚異であり、支えること無く落ちることの無いボディバランスも弾き手にとっては大変にありがたい要素となっています。
デザインの秀逸さは言うまでもありませんが、魅力的な音色を支えているのは良質の材料であり、それらを非常に分かった使い方をしているのも大きな特徴で、速いアタックやニュアンスとダイナミクスの微妙な差異の表現を的確に行える、十分に分かっている製作家の手による、迎合せずに完成している楽器です。
NECK | 7pc. Wenge, Maple & Bubinga |
FINGERBOARD | Gabon Ebony w/ KR Fret Lines |
BODY | California Tiger Striped Mytle Top & Ribbon Mahogany Back |
PICKUP | Nordstrand Custom Fat Stack |
ELECTRONICS | Passive |
HARDWARE | Chrome |
FINISH | Natural High-Gloss |