#689 NF5-PB

2009 Winter NAMMで登場したNF5の1本目です。

Alleva-Coppoloに良質の材料がふんだんに使用されていることは周知の事実になっていますが、このNF5は、通常のモデルではサイズの問題があって使用できなかった材を組み合わせて製作されています(その為FInishは、Blackの一色のみです)。

NF = No Frills、つまりオプションなどの選択肢がなく、また、Jimmyが作れるときにしか作らない為、価格がかなり抑えられており、いわゆる廉価版との位置付けになりますが、このスタイルの楽器にありがちな、海外におけるOEMなどの手法を用いず、NeckやBodyに使用される材料はもちろん製作手法、そしてなにより製作を行っているのがJimmy Coppolo本人ということは、非常に大きいことであり、純粋にハードウェアやプリアンプでコストを抑える方向で製作されるだけという、新しい方法によって製作されています。

これは自身の名を冠している以上、製作者としてあるべき責任の所在を明確にするというJimmy流の市場への問いかけだと言えます。
もちろん需要が供給を上回っている場合、 海外などで安く、そして数多く生産する、という方法はビジネスの手法としては、間違ったものではなく、批判の対象となるべきものではありません。

しかし、Jimmy Coppoloは、楽器製作家として自身の道を歩んでいます。

レギュラーラインとの線引きを行っているものの、それらのレベルがあまりにも高すぎる為、エッセンスが凝縮された全く申し分のないクオリティを持ち、また、サウンドキャラクターや、トーンなどは、Jimmyが製作しているのですから当たり前ですが、全く同等のものと言えます。

低価格帯のモデルを市場に送り出すことで、レギュラーのラインの存在意義が薄れてしまうメーカーも少なからずありますが、Jimmyの手法は、彼の楽器同様、顧客への完璧な説明責任を果たしているものと評価できますし、楽器自体のクオリティがその全ての理由となっています。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Maple
BODY Ash
COLOR Piano Black (Poly)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Aguilar OBP-3