Kenがなじみのダブルベース製作者から入手したFlame Cherryを用いて作られた、世界に1本しか存在しないKen Smithです(実際には、2本分の材があったためもう1本製作されていますが、そちらは5EGの為、6弦としてはこの1本しか存在しません)。
楽器を最大限鳴らしながらも、整ったバランスを維持する、ともすれば表板以上に重要な役割を果たす裏板に用いられる予定であったこのFlame Cherryは、今までに前例がないほどナチュラルでニュートラルなサウンドを持っており、TopとBackが、その音色の主たる要素を決定するKen Smithらしい楽器にもなっています。
この材をKenが入手した際に、真っ先に私に連絡をくれ、Core材に関してもいろいろなやりとりをしましたが、そこで提示される、ピース数とフィニッシュとの関連による、最適なチョイスの数々には大変興味深いものがありました。そして、実際に楽器になってみると、優れた予言者のごとくKenの言っていることが当たっていたのは、言うまでもありません。
Walnutは、全域に渡りばらつきがなく、非常に安定した楽器を生み出す材ですが、Flame Cherryとの組み合わせにより、さらにその裾野が広がっているように思います。また、Walnutの持つ押し出しの強さに、ひと味異なった柔軟性を加えているようです。
嘘偽り無く、本当に長期にわたって寝かされていた材によってくみ上げられた楽器は、弾き手に啓示を与える一方、プレイヤーのインスピレーションに応える力を持っているのですが、この6EGもそういう1本です。
Ken Smith工房で、ユーザーに対して100%の責任を持つという観点から、今回のような前例のない材を使用することは非常に稀ですが、そういう場合でも、大きな確信に立脚した、十分に意味を感じることのできる楽器製作を行ってしまうことはやはりKen Smithならではでしょうか。
NECK | 5pc. Aged Hardrock Maple & Shedua w/ Graphite Inlaid Bars |
FINGERBOARD | Macassar Ebony with M.O.P. Side Dots |
BODY WINGS | Aged Flame Cherry Top & Back (7pc.) |
BODY CORE | Claro Walnut |
FINISH | Hand Rubbed High Gloss Catalyzed Lacquer over Stradivari Gold Oil (Ken’s Secret Sauce) |
HARDWARE | Gold |
ELECTRONICS | Series/Parallel Switches with Smith B.M.T. 3 Band EQ Circuit & Smith Custom Bass Hambucking Soapbar Pickups |