良い楽器の成立には良いピックアップが必ず必要になりますが、逆に本当に良い楽器は楽器の良さを引き出すピックアップの良さをも引き出す、という読みにくい文章そのものになってしまっている楽器です。
F Bassを長年弾いていてその良さを十分に知っているこの私にとって、このVF5は新しい驚きの楽器でしたが、George Furlanetto自身、Alderという材を使ってここまでの理想的な楽器が出来るとは予想していなかった、とのことですから、さもありなんという感じでしょうか。
VF5から生み出されるサウンドは、太い杭を時間の流れに打ち込んで行くような感覚があり、そこには1pc. Neckの良さが特に現れているのかもしれません。
コンセプトに基づいた、有るべき音色を獲得するため、通常のBN5よりも少ないピース数と板目材をネックに用いていますが、その不足するであろう強度を、新しく強固な塗装によって補っている点に限らず複数の要素によって、長期に渡る使用におけるこのタイプのネックが抱える問題に対する対応している点も、長年かつ豊富な製作経験を持っているF Bassならではだと思います。
古い楽器は、弦高もある程度に保たないと本当の良さが出ませんが、そうする事無く、どのようなセットアップにしても、良く知られている使えるサウンドが出てしまいます。
NECK | 1pc. Flatsawn Maple |
BODY | Alder |
COLOR | Sun Burst |
FINGERBOARD | Madagascar Rosewood w/ Pearl Dots |
NUT | Bone |
FINISH | High Gloss Lacquer for Body / Crystal Satin for Neck |
PICKUPS | F Bass Custom Single Coil |
PREAMP | F Bass Custom |