#272 LM5-TO

初入荷ながら、楽器として大変実用的で、NYを活動拠点にする名うてのミュージシャンのフィードバックが活かされている、即現場で使える楽器です。

このAlleva-Coppolo(アレバ・コッポロ)の何よりも素晴らしいところは、優れた道具として必要な要素以外の全てのものを極限まで削ぎ落としているということです。

私自身90年代前半に製作されたニューヨークの楽器を5、6年メイン楽器として使用していた時期があり、その楽器の良さの理由を熟知していますが、その頃の感覚が如実によみがえってきましたし、フェンダージャズベースの良さを理解している今では、さらに近い感覚を持っていると言え、ある意味決定打と言える1本です。

一見、日本製の楽器に見られるような緻密さは無いように思えましたが、実際は相当に凝った作りになっており、実際に手に取り、音を出してみると、驚きを通り越して驚愕の楽器と評さざるを得ない、私の楽器製作における重要性の認識をある部分で根底から覆させられる存在です。

この楽器を扱わせていただくきっかけになったのは、現在Jamiroquaiで活躍するPaul Turner氏の紹介でしたが、Vintage楽器に精通するPaulを唸らせ、実際にステージで何度も使用しているだけのことはある、と感服させられるもので、SLEEK ELITEのラインナップに加えさせていただけて本当に良かったと感じています。

ナットを見ると、それぞれの製作家がどういうコンセプトでその楽器を製作しているかがある程度推測できるのですが、このLM5は、最近の楽器には珍しくわりと高めのセットアップが施されています。弦高はやや高めで弾いてほしい、というJimmy Coppoloの主張が伺えますが、にもかかわらず、ローアクションの楽器同様の弾きやすさを誇り、結果として、弦高の高い楽器特有の生音の大きさに起因するダイナミクスと、弾きやすさが両立されているという絶妙なところをついている楽器となっています。

これからの入荷も楽しみですし、ハンドメイドならではの人間くさい甘さが心地よく感じられる楽器です。

NECK 1pc. Hardrock Maple
FINGERBOARD Maple
BODY Ash
COLOR ’59 Burst (Poly)
PICKUPS Alleva-Coppolo Homemade
PREAMP Alleva-Coppolo Homemade