Xtreme Mean Greenフィニッシュが、個性的でもあり、それが楽器の美しさに華を添えています。
このKXBX4も、先に届いた楽器同様、楽器全体が無駄無くなっている印象があり、ソリッド楽器特有のタイトさと、ホロウボディの楽器のような空気感を含んだサウンドに併せ持ったトーンを持っています。
指板から伝わってくる振動は滑らかで、特殊なボルトオン構造から生み出される音色は特有のタイトさをもちながらも、一般的なボルトオンの楽器とは次元の異なるサスティーンの長さと、しっかりとした基音を伴った豊富な倍音を持っており、これがBrubakerのオリジナリティのあるサウンドを生み出すのに貢献しています。
この独特のボルトオン構造は、セットネックの楽器をさらに洗練させた新しい感覚を楽器に与えるだけでなく、物理的側面からもネックに対する余計な負荷を最小限に抑える効果も持っており、様々なメリットがあります。しかし、この組み込み方法をとるということは、余程の精度を楽器にもたらさなくてはならず、製作者の苦労とこだわりが感じられるポイントの一つになっていますし、Kevin Brubakerという製作家がいかに真剣に楽器製作に取り組んでいるかが分かるでしょう。実際に工房が一度不幸にも火災で全焼してしまってから、2004年に楽器製作を再開するのですが、このKXBX4-XMGが、それ以降に作られた丁度9本目の楽器であることからも、いろいろなことが感じ取れます。
ライブにおいて、ベースというパートはアンサンブルのレベルが高ければ高いほど、様々な役割を果たさなくてはならない楽器ですが、このBrubakerに搭載されているスイッチを活用することで、ピックアップをJJ、J + HB、HB + HBと瞬時に切り替えることが出来、楽曲や奏法、場面に応じてコントロールを動かして対応するという、不安定な音や演奏を招く要因を排除する為の配慮が盛り込まれている楽器です。
楽器製作家の出したい音やコンセプトは、ベテランの製作家の楽器ならば明確であるのが普通であり、このBrubakerという楽器も例外では無く、それが”個性”と呼べるものになります。それらの個性は、音楽を介して、弾き手のアイデンティティーと結びつくのですが、このBrubakerに於けるそれは、押し付けがましくなく、さりげないものであり、弾き手によってどのようにも変化出来る柔軟性を伴ったものと感じます。
それゆえ、私が扱わせていただいている楽器の中で、高い完成度を伴った楽器であり、もっともプレイスタイルを選ばない楽器は何かと聞かれれば、私はBrubakerをお勧めすると思います。
NECK | 1pc. Quartersawn Hardrock Maple (Natural Satin Finish) |
BODY | Spaltede Maple Top & Poplar Back(High-Gloss Finish) |
COLOR | Xtreme Mean Green |
FINGERBOARD | Macassar Ebony |
Knobs | Custom THG |
PICKUPS & PREAMP |
Bartolini XXP24 Quadcoil Soapbar & NTMB 3 Band EQ Controls :
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