演奏家としても一流の腕を持つJan Knoorenが一本単位で製作する至高のハンドメイド楽器。
オランダでプロッフェッショナルベースプレイヤーとして、また弦楽器製作家やリペアマンとして非常に高い評価を得ているヤン・クノーレン氏のベースは、欧州の弦楽器製作の伝統に基づく不朽の技術と方法論を体現しています。
オーソドックスな素材とシンプルな方法論を用いて軽量かつ最高の楽器を製作することをコンセプトとした彼の楽器は、長年にわたり蓄積された高度なチェロやコントラバス製作の技術を、1本1本クノーレン自身が完全な手作業で丁寧に細心の注意を払って製作しています。
そしてそれらの楽器は60年代前半に製造されたきわめて良質のエレクトリックベースを十分に思い起こさせるもので、またフレットレスに至っては作られてから100年から200年ほど経っているチェロやコントラバスなどの琴線にふれるような美しくあたたかみのある音色を想起させ、彼の弦楽器製作の非常に高いノウハウを十分に感じさせるものになっています。
現代最高の弦楽器製作者の手による生涯に渡り弾ける本物の楽器、それがクノーレンベースです。
鳴る楽器とは?
よく“楽器が鳴っている”という表現を聞くと思いますが、それは一体どのような状態なのでしょうか?
楽器が鳴っている、というと“(イコール)ボディが鳴っている”ということのように思われがちですが、それはあくまで楽器の鳴りというものを一元的に捉えていると言えるでしょう。本当に鳴っている楽器というものは、そのボディの鳴り以外に“ネックの鳴り”というものが、そのボディの鳴り以上に重要なのです。
クノーレンの楽器が、弾き込めば弾き込むほど弦楽器が本来持つべきネックとボディの鳴りが得られるような楽器になっているのは、やはりクノーレン氏がコントラバスやその他のクラシックに使用される弦楽器の構造に精通し、そのノウハウを最大限クノーレンベースに盛り込んでいるからに他なりません。
Jan Knooren (ヤン・クノーレン) プロフィール
1957年2月6日オランダ生まれ マーストリヒト音楽大学でコントラバスの専門教育課程を修了する。 楽器製作は1987年に開始。
木製家具製造業の家庭に育ち、幼少より木製キャビネット製作の基礎をたたき込まれる。音楽の専門課程を修了した後、マーストリヒト・ルーサー・マーティン・リジューム音楽学校で教鞭をとる。
1984年から6弦ベースとアーチドトップ・ギターの製作を行うのと並行し、いくつものコンサート・オーケストラのチェロやコントラバス、弦楽器のメンテナンス、修理を行うスペシャリストでもある。
1990年代半ばからは、コントラバスの製作も開始した。ヨーロッパをはじめ、世界中のプロフェッショナル・プレイヤーに楽器を供給し続ける一方、名ヴァイオリニストであるアンドレ・リューのオーケストラに参加する等プレイヤーとしても一流の腕を誇り、現場の感覚をその楽器作りに活かすことのできる数少ないルシアーである。
Neck
独特のSet-Neck構造を採用しているKnoorenの楽器には1ピース、もしくは3ピースネックが用いられ、これらはKnoorenの楽器の、他のどの楽器も持ち得ない、特有の鳴りをもたらしています。
Knoorenの楽器を好んで使用される方は、この唯一無二の”鳴り”や響き方、ハンドメイド楽器だからこその温かみに、その理由を求められていると思います。
Fingerboard
指板には、十分に自然乾燥を施された、Knoorenによる豊富なストックの中から最良のものを都度選んで使用します。
使用される材は主に、Ebony、Rosewood、Mapleとオーソドックスなものになり、それぞれスタンダードであることの良さを感じる事ができるものになっています。
Ebonyはレンジが広く、Rosewoodは中域に特徴がある、Mapleはブライトでアタックのはっきりした音色をそれぞれ持っています。
(20, 21, 24、もしくは28フレット仕様の中から選択可能です。)
Body
Knoorenは、主にヨーロッパで産出される材にこだわって使用しています。
現在の楽器業界では、今までに使用実績の無かった材も数多く使用されていますが、Knoorenは、昔ながらのTone Woodということで、古くから使用されている定番の材を厳選して使用しています。
Body材とKnooreの楽器に使用された場合の音色の傾向は下記のようになります。
Maple
古い良質な、エレクトリックの楽器に感じることのできる、乾いた音色を持っており、 厚みと色気を兼ね備えています。
Basswood
軽量で、シンプルな鳴りが特徴で、Knooren自身がもっとも好んで使用しています。
Poplar / Tulipwood
プレーンで澄んだ音色を持っており、汎用性の高いトーンが特徴です。
Platanus
Alderに似通ったトーンを持っており、独特の密度の高い中域は、フレットレスには最適 な材の一つです。
Black Walnut
重心のやや低い、タイトで押し出しの強いトーンが特徴です。
Finish & Color
Knoorenが自分自身の手で丁寧に仕上げて行くフィニッシュは、現在オイルフィニッシュ、及び薄いポリウレタンフィニッシュが採用されています。
ハンドメイドメーカーの中にもフィニッシュを外部の業者に委託しているメーカーも少なからずありますが、Knoorenでは、最後の過程まで責任をもって本人が仕上げて行き、手をかけた分だけ、深みのある美しい色をともなった仕上がりを楽器にもたらしています。
Knoorenのみが持っている美しい色はいくつかありますが、その中でもVenatian Blondは人気の高い、美しいものです。
Pickup
Bartoliniや、EMG等好みに応じて様々なピックアップを選択可能ですが、楽器本来の色をピックアップ自体のキャラクターを一切加えることのないものとして、ドイツの名門ピックアップメーカーと共同開発したKnooren/Haeusselピックアップが標準採用されています。
このピックアップは、Mini Switchと組み合わせることで、楽器の音色に数多くのバリエーションをもたらし、弾き手の望む通りの、シングルコイルとしても、ハムバッカーとしても使用できます(ハムバッカーとしても2種類の音色が生み出せます)。
また、6弦ベースであればHigh-C弦が、4/5弦ベースであればG/D弦が細くなってしまい、アンサンブルに埋もれてしまう事もありますが、そういうありがちで、現実的な問題を解消することにも成功している優れたピックアップです。
Electronics
ドイツのプリアンプ・メーカーであるNoll Electronicや、Glockenklangのものを採用しています。