Neck
楽器の命とも言えるネックには、オレゴンという地の利を活かし、膨大な量の中から、十分に乾燥された材のみを使用しています。弦楽器としては一般的な柾目のメイプル材だけでなく、例えばSwiss PearやZebrawood等のあまり馴染みがないものの、エレクトリックベースにとっては有用なエキゾチックウッドを使用したネックを製作する等、その研究に余念がないのもBenaventeの素晴らしいところです。
また、非常に高いラミネーション技術によって、3pc.から、多いものでは19pc.やそれ以上の多層ネックを製作することも可能で、これによってサウンド面と強度面、それぞれから最適のサウンドを得る為のネックを生み出しています。また、クリスが1本1本ハンドメイドで製作していますので、もちろんネックのグリップもご要望に応じて変化させていただけます。
ベナベンテという楽器のもっとも優れたところは、まずその抜群のプレイアビリティにありますが、これもクリス・ベナベンテが単なる新進気鋭の製作家にとどまらず、ベースプレイヤーとしての側面も持ち合わせているからに他なりません。
“それぞれのモデルにBolt-on / Set-neck / Neck-thruがございます(P51(Bolt-onのみ) / Vintage Vortex(Bolt-onのみ) / Chambered Single Cut(Set-Neck or Neck-thruのみになります)。
Fingerboard
指板には、強度を考慮して柾目のものを使用することはもちろん、過酷な日本の気候での使用にも耐えうるように、十分な乾燥期間を経たものをしようしています。
Ebony指板が標準ですが、見た目の美しさもあわせもっているFlame MapleやQuilted Mapleをはじめ、Cocobolo, Kingwood, Pink Ivory, Snakewood, Pau Ferro, Brazilian Rosewood, Bocote等の様々なオプションも可能です。指板は、その楽器の性質を大きく決定づける大切な要素ですので、可能な限りお客様のご要望にお応えできるよう幅広い選択肢を用意しています。
またウッドバインディングやインレイを施し、よりお客様の好みに即した、見た目のアクセントを加えることができるのも、高い木工技術誇るBenaventeならではです。
Body
英語で、楽器に使用する、音響面で本当に優れた材を”Tone Wood”と呼びますが、ネック材同様、良質な材が安価で豊富に存在するオレゴンという環境から得られる、外観と音質、双方の条件で高いクオリティを誇るトーンウッドのみをベナベンテでは使っています。近年、美しい木材をTopやBack材として使用しているメーカーも珍しくなくなってきましたが、Benaventeならでは、ということでは、地代等に気を配りながら楽器を製作する、ということとはおおよそ無縁で、純粋にグレードの高い材(例えば見た目は同じでも、乾燥期間がより長いもの)を使用できる、ということでしょう。
Benaventeでは、定番のトーンウッドに加えて、新しいメーカーとして既存の概念に挑戦して行く必要があるので、比較的新しい材を使用することもありますが、それらの材を使用するに際して、見た目が良いことや、珍しいということは全く度外視し、事前に試験を行った結果、それが楽器を良い方向に導くと判断した場合のみ使用します。
今までに使用した材の一例ですが、Buckeye Burl, Mesquite, Hollywood, Brazilian Rosewood, Mytle, Thuya, Boxelder, Amboyna, Beech, Mullberry, Elm, Comphor, Avodire’等多岐に渡っています。
ボディ材もトーンウッドと呼ぶに相応しい十分乾燥されたAlderやMahoganyを使用し、それらは全てクリス・ベナベンテ自身が一枚一枚時間をかけて選んでいます(OptionでAsh / Walnut / Wenge Bodyも可能です)。
高度なウッドワークやラミネーション技術と、彼の秀逸なセンスによる材の組合せから生み出される良質なトーンは、あたたかく、その音に含まれる甘い成分は、見た目だけの楽器ではないことの証明でしょうし、結果、Benaventeを飽きずに長く弾ける楽器にしています。
Finish
ベナベンテは、彼が時間をかけて1本1本丁寧に、高級感溢れるセミグロスフィニッシュしていますので、木の暖かみが十分に感じられる仕上げになっています。べナベンテの楽器からは木肌が感じられる文字通りハンドメイドの良さが伝わってきます。
また塗装も彼が一人で行っていますので、いろいろなカスタムカラーのオーダーに応じられるのも、工場生産される楽器とは全く異なるべナベンテの良さです。
Pickup
ピックアップは、かつてJohn Suhr氏やKent Armstrong氏をアドバイザーとし、試行錯誤の結果生み出されたBenavente Original Pickupを採用しています。
Single Coilの曇りの無い澄んだサウンドをもちつつも、特有のノイズの問題を解消しているNarrow Styleと、Dual CoilからなるHumbuckerに類するWide Styleの2種類あります。(通常はNarrow Pickupは樹脂のケースですが、ウッドカバーオプションも可能です。また、Wide Pickupは全てウッドカバー仕様になります)。
従来存在していたピックアップの良さをさらに高い次元に引き上げ、美しい高域、パンチのある中低域、散らない低域、かつ材の特性をあますことなく引き出してくれる、素晴らしいピックアップです。
また、ピックアップ配列として、従来の楽器とことなったネック(フロント)ピックアップにWide(Dual Coil/Humbucker)、ブリッジ(リア)ピックアップにNarrow(Single Coil)というBenavente独自の新しいピックアップ配列も面白いものだと思います(よりヴィンテージライクなサウンドを志向される方の為にJohn Suhr PickupもOptionでご用意させていただいております)。
Electronics
以前は、J-Retro, Demeter, John Suhr, Bartolini等様々なプリアンプを搭載していましたが、現在ではこちらもピックアップ同様オリジナルのプリアンプを搭載しています。
ベースという楽器がアンサンブルにおいて、どのような低域をカバーすべきか?ということを念頭に置いて開発されたプリアンプは、Treble Boost/Cut, Middle Boost/Cut, Low Boost Onlyという構造になっており、ベースという楽器にとって特に大切な、特に、環境に左右されない安定した低域と中低域の再生能力の維持、この点に特化して設計された数少ないプリアンプです。
それゆえ、ベースを派手に立ち上げても低域がまわってしまうことはなく、程よい質感や量感が得られます。また、TrebleとMiddleは少し補正するだけで十分ですので、パッシブの楽器のような感覚で使用できるところも、優れたところです。
Option
その他にベナベンテでは思いつく限りの豊富なオプションを用意しています。それらは特別な弦間設定やスケールであったり、ネックのグリップを好みに応じて製作したりといった音楽的に必要なものの他に、木製のコントロールノブや、木製ピックアップカバーにインレイを施したもの、カスタムデザインのインレイ、LED等楽器の外観をより美しくするものであったりと様々です。
殆ど考えうる限りのオプションが可能ですので、ご遠慮なくお問い合わせください。クリス・べナベンテ氏が世界最高の木工技術をもって芸術品としての装いを持っているだけでなく、本当の意味で優れた、文字どおり世界に1本だけの楽器をお作りいたします。
※Benaventeのサウンドはこちらでお聞きになれます。≫ GO
Benaventeの現在すぐに使用できる、十分な自然乾燥を施されたTop & Back材、及び指板材は、こちらでご覧いただけます。≫ GO