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現在でも新しい技術や発送を用い、技術革新を行っているメーカーは多くはありませんが存在していますが、本当の意味で音楽的に優れているものからの乖離がみられるものもあります。しかし、このAlembicの楽器が、1969年の創業以来、世界中で愛されているのは、やはりRon Wickershamが、現場で必要とされるものを適切な形で抽出し、それらの全てがミュージシャンにとって的を射たもの、つまり”理にかなったもの”であったからでしょう。

エレクトリックベースの歴史がスタートして以降、現在では数多くのメーカーが世界中に存在しており、その大半は、彼らが築き上げて来た高速道路の上を走っています。

これより、40年近くたった今をもって他のメーカーの追随をゆるさないパイオニアである、Alembicの素晴らしさを紹介させていただきます。

“全てを備えた究極の、他の誰も真似できない楽器”

100人のベースプレイヤーが仮にいた場合、その全てが良いと思える楽器は、優れた製作家自身が認めるようにおそらく存在していないでしょうし、それぞれ聴いてきた音楽や、環境が異なるでしょうから当たり前のことだと思います。しかし、このAlembicという楽器には、限りなく多くの弾き手を納得させてしまえるだけの力と魅力が備わっており、それらは全てミュージシャンが望むであろう事象と合致しているものです。

“Alembicは、全て同じ音がする”

Alembicという楽器の音色を評するのに良く聞かれることのひとつに、”Alembicは同じ音がする”というものがあります。

表面的にこの言葉をとらえると、量産品の楽器にありがちな、個性の無い楽器製作を行っているのではないか?と思われてしまうかもしれませんが、その奥底に存在する真理は、絶対にハズレを出さない、確実性のある楽器製作にあります。

Alembicは、その素晴らしさと同時に、高額であることでも知られていますが、にも関わらず、カスタムオーダーが後を絶たないメーカーです。

私自身、お客様との話の中で、カスタムオーダーの持つ恐さを伺う事もありますし、なぜそうなるかということも分かっていますが、このAlembicというメーカーは、他のメーカーが持ち合わせていないということはもちろんなく相対的なものですが、顧客の要望に対する責任感をその何倍もの量で持ち合わせているように思います。

エレクトリック楽器は、音を出す為に必ず電気的な助けを必要とするのですから、アコースティック的に弾き手の望む要素があれば、あとは、電気的な安定を楽器が必ず持ち得ていることで、再生環境や状況に一切左右されない音を持った楽器というものが存在していることになり、Alembicは、まさにそのものであると言えます。100回のライブやリハーサルで、その全てに同じクオリティのサウンドを供給できる楽器は他にあるでしょうか?

“確実なFull Order System”

フルオーダーというシステムは、今では珍しくないものになっており、特に新興のメーカーでは、何でもありの楽器製作を可能にしているところも少なくありません。もちろん、それは彼らにとって必要なことであり、やるべきことの1つでもあります。しかし、その経験の不足や、揺らいだコンセプトなどが悪い形で露呈してしまうこともあり、センスの無い製作家は、顧客のリクエストを誤った方向で楽器に盛り込んでしまうことがあります。

この概念のパイオニアであるAlembicが、それらと一線を画す’満足と納得が確実に顕在する楽器’の創出に成功し得ているのは、その膨大なノウハウと、優れたエレクトロニクスの存在であり、既存の楽器に納得できない、こだわりのある優れた演奏家達が、’真の満足’を求めてAlembicを尋ねて来た大きな理由でもあります。

Alembicの楽器というと、Stanley ClarkやJimmy Johnson等著名なプレイヤーの使用で有名ではありますが、彼らの楽器でさえ、そのシステムの中で製作された1本ずつであるのは、その為です。

こちらのページでは、今までに製作された素晴らしいカスタム楽器がご覧いただけます。≫GO

“唯一無二のElectronicsと鳴り”

logostory1980年初頭に製作されてAlembicを見た事がありますが、正直、その凄さには驚かさせられました。私自身、数千本を超える楽器を見ており、それなりに知ってはいるつもりではありましたが、当時の人にとっては、突然別世界より来た存在のようなものであったのではないかと思います。

材の持つ良さを自然に再生する為にどうするか、という見解は各社異なり、その解答はいくつかありますが、Alembicは、電気的な優秀さにより、それに成功しているメーカーです。

Alembicのサーキットは、一般的なActive Circuitのように、例えば低域をブーストやカットするものでは無く、Low-pass Filter(電気信号の高域成分を抑制し、低域成分を抽出する回路)を採用しているのが大きな特徴です。

Alembicが、このフィルタ回路をその核として採用するようになったのは、Ron Wickershamが、良質の材による優れた楽器は既に十分な音域をもっており、完成されたサウンドを、自然な形で再生するのに最適なものであることを研究の結果見いだした為です。

楽器に元来備わっていない音域をサーキットによって付加するのではなく、楽器自体がすでに持っている必要な帯域を残したまま、音色変化に聴感上影響する帯域を削っていくLow-pass Filterこそがもっとも自然であるという考え方はきわめて理にかなったものだと言えます。

また、Alembicでは、この他にQ-switchというカットする起点を変化させるスイッチとTone Controlによって音作りを行います。

最近、楽器を表現する表現の1つに”鳴り”というものがありますが、これは個々人によって全く異なった見解を持ったものとなっており、酷い場合には単なる宣伝文句に成り下がっている時もありますが、その抽象的な概念を論じることが全く意味を持たないものとなっている、本質的に重要なものが何であるかを、すでに40年前より価値観としてユーザーに提供している、正面きって楽器の良さは何であるかということに向き合っているものが、Alembicです。