1988年にKenが入手したKoa材を用いた、プレーンでストレートな音色を持つ完璧な楽器です。
長いシーズニングを経た材こそが、良い楽器を作る主たる要因であることは重々承知しているものの、それは見た目で分かるものではない為、乾燥期間の長さは楽器の優劣を決定づける際に分かりにくい要素となってしまいます。
しかし、それはあくまで表面的なものであり、弾き手にとってもっとも大切な、楽器が与えるインスピレーションには、特に重要な意味を持ってきます。
ラミネート構造のBody Wingを持つKen Smithでは、Top & Backが楽器の方向性を決めCore材が色づけを行います。そういう観点でこのBT5を考えると、一見、Koaの特徴はどこに活かされているのであろう?と考え込んでしまうほど、そのキャラクターを感じないものとなっていますが、やはり古いKoaがこのBT5を”あり得ない完全無欠の良すぎる楽器”足らしめている主たる要因になっていることは間違いありません(もちろんそのことは、この楽器をオーダーする際に、Kenによってすでに説明されていたことであることは言うまでも無く、VeneerにWalnutを用いていることから考えても、彼にしてみれば予定調和を実践しただけのことかもしれません)。
また、さらに興味深いこととしては、このBT5のように製作家が分かって作った楽器は、選ばれた弾き手にとってもそっくり当てはまる事があり、演奏に向かい合った際に、同じような現象が起こりうるということがあります。
どういう材を使ってもブレのない、確実な完成度を保証する造詣の深さ、多弦楽器の先駆者であるKen Smithのコンセプトの完成度の高さ、それを寸分違わず楽器として世に送り出す事のできる実行力など、まだまだこのメーカーには驚かさせられっぱなしです。
NECK | 5pc. Aged Hardrock Maple & Bubinga w/ Graphite Inlaid Bars |
FINGERBOARD | Macassar Ebony with M.O.P. Top & Side Dots |
BODY WINGS | ‘1988’ Hawaiian Koa Top & Back (5pc.) |
BODY CORE | Highly Figured Tiger Maple |
FINISH | Classic Hand Rubbed Dutch Varnish over Stradivari Gold Oil (Ken’s Secret Sauce) |
HARDWARE | Gold |
ELECTRONICS | Series/Parallel Switches with Smith B.M.T. 3 Band EQ Circuit & Smith Custom Bass Hambucking Soapbar Pickups |