#185 BN6F-BG

BN6のフレットレスベース版である初入荷のBN6Fです。

この楽器は、Figured Mapleをセンターに、Swamp Ashをウイングに配していますが、それぞれの特色が望ましい方向に作用しているように感じますし、それが実際に肝心の音となって現れていることは、George Furlanettoという製作家が白眉であることを示しています。

Swamp Ashは、メーカーによってはフレットレスベースに向かない材として認識されている向きもあり、その主張にもうなずける点は多々あるのですが、それに対する有効な回答例の一つがこのBN6Fだと考えます。おそらくAsh材のみで製作された場合に予想される、最終的に足りないであろう領域を、センターのMapleが上手にカバーしてくれているようです。

現在のエレクトリックベースにも様々なスケールが採用されており、これも熟慮された上での、数字ありきではない採用であれば、メーカーごとのコンセプトとして大きな意味を持ち、プレイアビリティや音色など、様々な特徴を生み出します。

例えば34″と35″では、数字上わずかな違いしか存在しないように見えますが、それが累積すれば大きな差につながり、弾き手に与える負担も見逃せないものになってくるため、それに対しては何らかの解決法があって然るべきだと思いますし、そうでなければ、F Bassで採用している、わずか0.5″(約1.27cm)の長さですら、ストレスの要因となりかねず、ひいては手首や腰を痛める可能性に繋がると思います。F Bassでは、そのスケールの長さをボディバランスで解決している素晴らしい成功例であり、それがもたらす”副次的要素”も十分に考慮されたものだと言えます。

環境によるニーズの差異を理由とする、入荷時の調整を要する楽器もメーカーによってはあり、それは自然なことでもありますが、最近のF Bassには殆どその必要性を感じず、 届いていきなり慣れ親しんだ楽器のような感覚を持っているものが多数を占めています。このBN6Fもその例外ではなく、良好なプレイアビリティを備えた、安心して弾くことのできる優れた楽器であり、伸び伸びとしたトーンは美しさの一言につきます。

いろいろ書かせていただきましたが、最後に言及しておくべき点が一つあり、写真では分からない、弾いた方のみが分かる面白いポイントがこの楽器には盛り込まれており、もしかしたら、それがこの楽器のトーンの決定要因になっている可能性があると思わせてくれるのですが、それは大変興味深く、より良い楽器製作の為の試行錯誤をF Bassが、いまだに繰り返していることを証明しています。

NECK 3pc. Laminated Quatersawn Maple
BODY Swamp Ash Wings & Figured Maple Center Taper
COLOR Blue Green (Marine Blue)
FINGERBOARD Gabon Ebony
NUT Bone
KNOBS Hand-tuned African Blackwood
FINISH High Gloss Lacquer for Body / Oil for Neck
PICKUPS F Bass Soapbar Style, Hum-cancelling, Veneered & Finished
Match the Body
PREAMP F Bass Custom