34.5″は、F Bassが初めて採用した、ある意味理想的なスケールであり、F Bassのボディバランスによって、大きな意味を持ってくるものですが、この結論に至までには大変な労力と長い時間を要したと思いますし、それが現在のF Bassのクオリティを支えていることは間違いありません。
しかし、このBN5-TBにはあえて標準の34″スケールを導入し、それがF Bassの良さと非常に良い形で融合していると感じます。簡単に言い換えますと、F Bassの他のメーカーの楽器では持ち得ない特徴がありながら、普段以上にジャズベースらしさが強調された楽器になっています。
F Bassの34″は、試行錯誤の上でF Bassが導きだした34.5″の楽器とは異なるキャラクターを持ちますが、それでいても大変に完成度が高い楽器となり得ているのは、それが一つの選択肢となっているからだと思います。つまり、34″と34.5″、どちらでも楽器を製作することはできるが、目指す方向に合致するということで後者を選択していることによる余裕がある、ということで、これは多弦ベースの製作に長けているメーカーが製作する4弦ベースが良い、ということと似たようなものがあると思います。
このBN5-TBは、上述のように双方の良さが凝縮されたような感覚があり、相反するような要素を、お互いが足を引っ張り合わない形で持っています。
スケールの長い楽器特有の、クリアーな滑らかさが全面にありながらも、やんちゃであばれるトーンですが、それが度のすぎたものではなく、丁度良いところにきちんと収まっています。
NECK | 3pc. Laminated Quatersawn Maple |
BODY | Swamp Ash |
COLOR | Transparent Black |
FINGERBOARD | Stained Birdseye Maple |
NUT | Bone |
KNOBS | Hand-tuned African Blackwood |
FINISH | High Gloss Lacquer for Body / Oil for Neck |
PICKUPS | F Bass Soapbar Style, Hum-cancelling, Veneered & Finished Match the Body |
PREAMP | F Bass Custom |