Ken Smith Burner Hadrien Feraud Signature

INTRODUCTION

Ken Smith Burner Hadrien Feraud Signature  Hadrien Feraudとの出会いは、2006年にまでさかのぼります。

John McLaughlinのアルバムIndustrial Zenにて、饒舌ながら音楽の持つ深淵を、豊かに彩る素晴らしい当時は無名だったベースプレイヤーの演奏に衝撃を受けたものの、そのプレイヤーに関する情報は、このインターネットが普及し、その全てを容易にさらけ出してくれる時代において尚、皆無でした。

しかし、一人のBloggerだけがHadrienについて言及しており、幸運にもその彼に紹介してもらうことが出来ましたが、そこで驚いたのは、彼がKen SmithのBurnerを使っていたことであり、その後に製作されることとなったソロアルバムや、演奏の内容を通し、個人的に感じ入るところがあることをすぐに伝えました。

そのときより様々なやり取りをさせていただくこととなりましたが、その中で、彼がその輝かしいキャリアーをさらに上のステージに引き上げる為の楽器を必要としていることに私は気付き、3年程かけて設計や適切な材料の選択などを吟味し、2010年にようやく世に送り出すことができた、Ken Smith Burner HF Signatureの開発に着手することとなりました。

特徴、および以前のBurnerからの改良点。

Neck & Fingerboard

Ken Smith Burner Hadrien Feraud Signature1990年頃廉価板として発売されていたBurnerは、4つ存在していたモデルのうち1つを除いては、材料やアッセンブリーの殆どの供給源を日本国内に求めていました。

それに対してBurner HFは、Neck材は、Ken Smith USAにおいて、現在は受注生産のみに切り替えられたM/MWなどに使用される長期のシーズニングが施された3pc. Neckをそのまま使用しています。

無加工の3pc. Neckを輸入し、成形、ならびにGraphite Rainforcementの導入、塗装に関しては日本国内にて行っております。

指板材に関しては、KSD Brooklyn Seriesと同様、これもKen Smith USAで使用されているものを引き続き使用しています。

Body

材に関しては、欧米の複数の業者から、厳選したものを仕入れています。

木目だけでなく、材の凹凸などの有無など完璧なものにこだわることで、そのコストの上昇や、生産ペースに問題を引き起こす可能性は十分にあるのですが、それよりも、Ken Smithがそう行っているように、納得したものを送り出すことに重点を置いています(良い材料が入手した時点で製作にとりかかるような生産体制をとっています)。

現在までに使用した木材、これから使用する予定の材料は下記のものになります。

Top

Buckeye Burl, Tiger Maple, Quilted Maple, Spalted Maple, Quilted Bubinga, Flame Redwood, Burl Redwood, Figured Mytle, Claro Walnut, Bastogne Walnutm Franquette Walnut, Claro Walnut, Pistachio, Quilted Mahogany, Macassa Ebony, Koa, Quilted Mahogany, Pink Ivory, Olive

Back

Mahogany, Walnut, Maple, Avodire’, Ash

*Ken Smith USAで使用しない材も多数含まれていますが、Top材が楽器の音色やクオリティーに大きな影響を及ぼさないような設計を行っており、Top材の選択に自由度を与えています。

Pickup

Ken Smith Burner Hadrien Feraud Signature特注のSingle Coilのものを採用しています。

これはHadrienのリクエストの大きな部分でもありましたが、Finger Rampを搭載した楽器の多くは、いわゆる個性を喪失する方向性にあります。

それゆえPickupの選択は非常に重要であり、フレーズ以外にその弾き手のアイデンティティを、状況を問わずに明示することを目的として製作されています。

Preamp

Ken Smithの18Vのものが採用されていますが、リクエストに応じて変更することも可能です。

Headstockのサイズ、形状、ならびにレイアウトは、以前の大きく、ヘッド落ちし易いものから、現行のKen Smith USAと同じ仕様へと変更されています。これによってウエイトバランスの向上や、安定したプレイアビリティの創出が行われています。

Bridge

以前使用されいたものと同じデザインのものを復刻して使用しています(弦間ピッチは17.5mmになっています)。




以前発売されていたBurnerは、Ken Smith USAの持つコンセプトの優秀性や、楽器としての完成度の高さを受け継いだ素晴らしいものでしたが、Burner HFは、世界最高のベースプレイヤーの生きたリクエストを取り入れた、完成された楽器になっています。